2024.01.22
カテゴリ:セミナー
タグ:ドライバー募集
年金をもらいながら働くのは可能?減額の計算方法と注意するポイントを解説年金をもらいながら働くことはできないだろうかと考えている人もいるでしょう。
年金をもらいながら働くことは可能です。しかし、一定以上の収入がある場合、もらえる年金が減ってしまう可能性もあります。
この記事では、減額される年金額の計算方法や、年金をもらいながら働く場合の注意点、さらに年金をもらいながら働きたい人におすすめの仕事を紹介します。年金を受給しながら仕事もしたいと考えている人は、ぜひご覧ください。
年金をもらいながら働くことはできる?
日本では、原則として65歳から年金の受給が可能です。しかし、さまざまな理由で年金をもらいながら働きたいと考えている人もいるでしょう。
実は、年金をもらいながら働くことも可能です。年金をもらいながら働くことには、次のようなメリットもあります。
- 社会とのつながりが維持できる
- 他者への貢献を実感できる
- 生活リズムを維持できる
- 経済的に自立できる
ただし、年金を受け取りながら無制限に仕事ができるわけではありません。収入によっては、年金が減額されてしまう可能性もあります。年金をもらいながら働きたいと考えている人は、事前に制度をよく確認しておく必要があるでしょう。
在職老齢年金とは
働きながら受け取れる年金は、老齢基礎年金と在職老齢年金の2種類があります。老齢基礎年金は、国民年金の保険料を定められた期間支払った人が対象となる年金です。老齢基礎年金は、支払いの条件を満たしていれば働いているかどうかや収入額と無関係に誰でも受給できます。
在職老齢年金とは、70歳未満の人が厚生年金保険に加入した場合や、70歳以上の人が厚生年金適用事業所で働く場合に、働きながら老齢厚生年金を受け取れる制度のことです。
ただし、在職老齢年金の対象となった場合、老齢厚生年金の額や給与・賞与の額によっては老齢厚生年金が減額または全額支給停止となる可能性があります。
ここからは、在職老齢年金について、次の項目に沿って詳しく解説します。
- 在職老齢年金の適用条件
- 在職老齢年金の計算方法
在職老齢年金の適用条件
在職老齢年金は、次のような場合に適用されます。
- 厚生年金を受給する資格がある
- 厚生年金の被保険者となっている
- 70歳以上で厚生年金適用事業所で働いている
- 給与+老齢厚生年金の月額が48万円以下である
在職老齢年金は、厚生年金部分を対象とした制度です。そのため、現役時代に自営業として働いていた人の場合、厚生年金の受給資格がないため在職老齢年金の対象にはなりません。
また、厚生年金の被保険者となっていることも条件です。年金受給年齢になってからの働き方として、自営業や短時間のパート勤務のように厚生年金の被保険者を選んだ場合には在職老齢年金は適用されません。70歳以上になると厚生年金の被保険者ではなくなりますが、厚生年金適用事業所で働いている場合には在職老齢年金の対象となります。
さらに、収入による条件も設けられています。給与と老齢厚生年金の合計が月額48万円を超える場合には、在職老齢年金が一部または全額支給停止となるためよく確認しておきましょう。
在職老齢年金の計算方法
在職老齢年金は、次のような方法で計算します。
在職老齢年金による調整後の年金支給月額 = 基本月額 – (基本月額 + 総報酬月額相当額 – 48万円)÷2
それぞれの用語の意味は次の通りです。
- 基本月額:加給年金額を除いた老齢厚生年金の月額
- 加給年金額:65歳未満の配偶者や18歳未満の子供を扶養している場合に加算される金額
- 総報酬月額相当額:(その月の標準報酬月額)+(その月以前1年間の標準賞与額の合計)÷12
- 標準報酬月額:基本給に各種手当を加算したもの
- 標準賞与額:3ヶ月を超える期間ごとに受け取る労働の対価
標準賞与額は、一般的にボーナスのことだと考えておけばよいでしょう。上記の通り、在職老齢年金の計算方法はやや複雑です。年金を全額受け取りながら働きたいと考えている人は、事前に専門家に相談しておくと安心です。
参考:日本年金機構
年金をもらいながら働く場合の注意点
年金をもらいながら働く場合には、次のような注意点があります。
- 確定申告が必要になる場合がある
- 高年齢雇用継続給付金を受け取ると年金が減額される可能性がある
確定申告が必要になる場合がある
年金をもらいながら働くと、多くの場合確定申告が必要になります。確定申告が必要になるのは、次の条件にあてはまる時です。
- 公的年金等の収入額の合計が400万円を超える場合
- 複数の企業から給与をもらっている場合
- 主な収入以外の所得金額が20万円を超える場合
もっとも多くの人が当てはまるのが、主な収入以外の所得金額が20万円を超える場合の部分でしょう。年間で20万円を超えた場合に確定申告が必要となるため、年金または給与のうち少ない方が、1ヶ月に1万7,000円程度ある場合には確定申告が必要です。
特に、定年まで会社員として働いていた人の中には、確定申告をしたことがないという人もいるでしょう。年金を受給している場合、確定申告をしないと脱税となってしまうケースもあるため事前によく調べておきましょう。
また、次のような場合には、確定申告をしないと損をしてしまう可能性があります。
- 医療費控除を利用する場合
- 住宅ローン控除を利用する場合
- 社会保険料控除を利用する場合
- ふるさと納税をした場合
上記のような場合には、本来払うべき金額よりも多くの税金を源泉徴収で引かれている可能性があります。損をしないためには、確定申告をしなければなりません。
年金をもらいながら働く場合には、確定申告が必要になるケースが多いことを覚えておきましょう。
高年齢雇用継続給付金を受け取ると年金が減額される可能性がある
高年齢雇用継続給付金とは、60歳を過ぎても働き続ける人向けの給付金です。60歳の時より大幅に収入が減った場合に給付されます。高年齢雇用継続給付金には、次の2種類があります。
- 高年齢雇用継続基本給付金
- 高年齢再就職給付金
高年齢雇用継続基本給付金とは、ブランク期間なしで同じ企業で働き続ける人を対象とした給付金です。また、高年齢再就職給付金は、60歳で定年退職し、その後別の企業に再就職した人を対象とした給付金です。どちらも、受給するためにはさまざまな条件があります。
上記の給付金を受け取った場合、60歳から65歳の間に受け取れる特別支給の老齢厚生年金が停止されます。給付金を受け取るのと、特別支給の老齢厚生年金を受け取るのとでどちらが得になるのか、事前に確認しておきましょう。
年金をもらいながら働く場合におすすめの仕事
年金をもらいながら働く場合には、次のような仕事を選ぶのがおすすめです。
- 勤務体系が柔軟
- 体力的な負担が少ない
- これまでの経験を活かせる
ライフスタイルや体調に合わせて働くためには、勤務体系が柔軟な職場を選びましょう。また、体力的な負担が少ない職場の方が働きやすいでしょう。これまでの経験を活かせる職場を選ぶと、知識や専門技術が評価されます。
具体的なおすすめ職種については、別記事「60代のアルバイトにおすすめの職種とは?働きやすい仕事の特徴も紹介」で紹介していますので、あわせてご覧ください。
まとめ
年金をもらいながら働くことは可能です。ただし、収入によっては満額年金を受け取れなくなる可能性があります。年金をもらいながら働くことを考えているのであれば、年金の支給が停止される条件や減額の計算方法を確認しておきましょう。
また、年金をもらいながら働くと、多くの場合確定申告が必要となります。また、確定申告をしなければ損をしてしまうケースも少なくありません。
この記事が、年金をもらいながら働きたい人の参考になれば幸いです。
参考:日本年金機構